おやすみぼくのおほしさま。

A.B.C-Z沼にはまったオタクのひとりごとです。

トリッパー遊園地は感情が忙しすぎた話

 

3/17.18と、河合郁人 単独初主演舞台となった

『トリッパー遊園地』 を観劇してきました。

 

今回はその感想をぼちぼち綴らせて頂きたいと思います!(今回は全体的にと、マサヒロについてがメインです)

 

*がっつりネタバレですので、まだ観ていない方、ネタバレ回避したい方はご遠慮ください。

 

 

 

🎡観劇するまで

 

トリッパー遊園地のあらすじを読んで、

当初は、戦争モノかあ…心が重くなるやん……でも郁人くんの演技みたい……ふみたつ……

 

と、みることに戸惑いと不安すらありました。

本当に、戦争モノは胸が締め付けられて、苦しくて、つらくて苦手だったんです。

 

不安を抱えながらも、でもふみたつの演技が見られるという楽しみな気持ちでいっぱいな、ぐちゃぐちゃなままでいざ開演。

 

舞台は重すぎず、軽すぎず、適度な温度で話が進むため、戦争モノが苦手な私みたいな人間でも見られる舞台。

本格舞台というよりは、ミュージカルテイストが強い。

 

笑いと涙の比率が絶妙で、忙しかった…泣いたと思ったらクスッと笑えたり。感情が凄まじく忙しい。

 

舞台で初めて泣きました。勝手に泣いてました。

 

総じると、
私の想像以上に温かくて、泣けて、分かりやすくて、大切なものに気づかされる。そんな舞台でした。(まとめてない)

 

 

また、平成最後にもう一度、戦争というものに目を向けて考えること、繰り返してはならないことを忘れない。

 

そんな戦争について考えるきっかけにもなりました。

 

 

遊園地は、俺が守る!

 

中心に立つ河合くん。すごく座長って感じがしてシビれました。キリッとしてて、かっこいい。しかし、演者の一人一人を見つめる視線は温かくて頼り甲斐がある気がして。

 

河合くんの今まで積み重ねてきた舞台経験があってのものではないか、と誇らしさすらありました。

 

オープニングは舞台の大筋が描かれた内容で、初めは?となりましたが、一度見終えた後には胸がキュッと締め付けられるような切なさすら感じました。

 

また、空襲のシーンは音楽や色とりどりの照明によって惨劇が重く感じず、苦しさが緩和されて私にとってはすごく良かったです。

たぶん、意見が分かれると思いますが…

 

観劇する人も一緒に 夢を見て、タイムトリップという非現実を体感するような舞台 ではないかと思っているので、空襲の惨劇をリアルに表さずにあくまで遊園地、という雰囲気を守りながらつくられていったのかなあと。ふと思いました。

 

そして、何回見ても泣いてしまうところは、

何と言っても出征のシーン。

 

みんなに愛されて、みんなが楽しめる遊園地をとても大切に思っている、マツジが軍服を着て出征しなければならない現実は本当に辛くて。

 

「山ノ内マツジ、万歳!」と、本当にそれぞれの心の中を考えると万歳ではないのに、

日本のため戦えることは喜ばしいことだ、と強制的に植えつけられているがために、みんなで万歳!と言わなければならない姿がとても切なかった。 

 

マサヒロも、自分はマツジが南の島で戦死してしまうことを知っているのに運命は変えられない、何もできない無力さを痛烈に感じていて、そこも胸に刺さりました。

 

 

 

🎡さて、マサヒロについてですが

 

河合くん演じるマサヒロは、初めはお金儲けのことだけを考えて、人の気持ちや大切にしているものが全くわからない、まさにボンボン。

 

 

ずるく賢く、お金儲けしてやる!

 

 

しかし遊園地とは相容れない、戦争という逆らうことのできない日本の状況の中でも、遊園地を守る人々の心、それぞれの人が大切にしているもの、自分に託された思いに触れてマサヒロはどんどん変わっていきます。

 

 

俺の、守りたいもの…

 

 

最後には、当初マツジさんが空襲時に采配していたようにマサヒロも采配していて、そこが伏線というか重なって見えて、マサヒロが成長したことを感じられました。

 

 

 

初めはただのボロくさい遊園地なんて、誰もこない。お金儲けできない、さっさと壊してしまえ。と言わんばかりだったマサヒロが、

「遊園地は人が作るんだ。」と言った時には感動で涙がこみ上げました。

 

自分のために生きていたマサヒロが、

自然と人のためにできることを考えられるようになっていたのが垣間見えて、素人目でも分かりやすくて良かったです。

最早、自分のことのように嬉しかったですね…!

 

 

ありがとう。どうか、お幸せに!

 

河合くんの演技についてですが、

マサヒコの軍服を着て、花道から登場する河合くんはマサヒロを演じていたのかと疑うほど別人。というか全くの別人でした。同じ人が演じているはずなのに。

 

 表情は固く、眉もキリッとしていてまさに日本男児。視線の向け方も、右から左に移動させるとしたら右→左ではなく、右→下→左 と、伏し目がちに残すことでマサヒロの強い眼差しが伝わってきました。 

 

また、手紙を届けるところで、マサヒロに乗っ取られ、顔を上げると瞬時に顔つきが変わっていたのをみた時には、さすが河合郁人だな…と圧巻されます。河合郁人の目の演技は本当に素晴らしかったです。

 

一番圧倒された演技は、最後の遊園地を守るシーン。

 

音響は飛行機の音、観覧車の淡い音、爆撃の音と切り替わり、マサヒロが上を見上げ険しい表情から少し和らぎ、静かに柔らかく笑顔をつくり、山ノ内の法被を天に突き出す。

 

観劇者が目と耳を使って得る情報はいたってシンプルなのに、

 

マサヒロが最後にショウヘイの戦闘機を見つけ、ショウヘイに向かって届くように法被を天に掲げていたのだと、

それだけで伝わってきたので河合くんが本当にマサヒロとして生きていたからこその表情だったのではないかと思いました。(解釈違いでしたらすみません)

 

日本という国を守るショウヘイ、みんなの遊園地をマツジ、ショウヘイからの思いを託されながら守る、マサヒロ。

 

場所は違えど、それぞれが今守るべきものを守っている姿は最高にカッコ良かったです。 

 

 

始めよう、せーのっ!いちにっさん!

 

 

 

河合くんの声はとてもハリがあって、一言ずつがすごく聞き取りやすかったです。また、歌が上手になってて全く不快感がなかった。

アドリブも長すぎず、適度なところで話を戻してくれるので テンポが良かったなあと感じています。なんだか、ホメホメばっかりですみません。

 

 

ここまで目を通して頂き、ありがとうございます!それでは。

 

 

see you next!